●安定した力を発揮した市民オケとアンサンブル

　賞云々はともかく、オケとしてのまとまりは確実にレベルアップしていると思います。
今年の市民オケは「クレッシェンド」をテーマにしました。とにかく「だんだん大きく」
です。私は新堀先生から徹底的に仕込まれたのが、このクレッシェンドです。前日の練習
ではかつてない程極端に演奏してみました。これにより、それまで少し平凡な曲が俄然
輝きだしたのです。演奏者の気持ちもグッと高まってきました。アンサンブルの「山の魔王
の宮殿にて」は、曲の最初から終わりまで全てクレッシェンドです。それを見事にやり切って
くれました。毎月休むことなく14年間続けてきた実力というのは大きなものです。
形としては見えませんが、確実にオケやアンサンブルの中に育まれていることを感じます。
これを伝統というのでしょうか。

●力をつけた独奏者たち

　一般の独奏は各地の教室の先生も出場しました。舞台度胸満点の佐野氏はジョンゴを
キレの良いリズムと勢いのある演奏で見事銀賞。盛山氏はきめ細かい内容表現で奨励賞、
　藤本氏は太く美しい音でやはり奨励賞。ジュニアの劉君は、しっかりしたテクニックで
レニアーニのスケルツオを弾き切り金賞を初受賞。永坂君は自分で選曲したマーチを
リズムよく演奏し銅賞。他の方も練習したテーマをしっかりクリアしてよい演奏でした。

●重奏も頑張りました。

　中尾、岸上、菅江、寺本チームは新堀先生が審査表で、編成が素晴らしく、演奏も
「これぞ古典！！」と絶賛。佐野、冨田、横山、鳥居チームもテクニカルな曲を良く
演奏しましたが、これも新堀先生の審査表で「プライムのみ×」と厳しい評価。
他の審査員の評価は高かったので残念な結果となりました。

●新堀先生の元気に改めて感動

　今回のフェスで、一番のトピックスは新堀先生が審査員で来られ、臨時編成のOB合奏団の
指揮までされたことです。85歳にしてグループの代表を務め、現役の指揮者として
毎週オケの指導＆指揮をし、本も書き、趣味の鉄道模型にも余念のない日々を送ってい
ます。このフェスに来られるの初めてのことです。不摂生の40代から一念発起で始めた
ダイエットは今でも見事な体型を保っていますし姿勢も背筋がピン。服装は明るいスーツを
着用し靴も同系色にするコーデ。喋り方もはっきりと要点を的確に。
そして、なんと云っても指揮が見事。急ごしらえのOBチームは決して万全の練習ではないので
あちこちアシが出ます(ミスのこと)。それを繕いながら、曲の表現はバッチリと決めました。
すごいです、本当に良いものを見ることが出来ました。

この秋から冬にかけてのコンサート

●「八幡堀まつり、野間邸ライブ」
　１０月１２日(土)　１．19:00　２．20:00
　　於、野間邸(近江八幡市永原町上12)
　中庭に張りだしたお座敷。昔ながらのガラス戸を通して幽玄な庭の夜景が楽しめます。
　今年は
　　１．19:00〜ギタアンサンブル
　　２．20:00〜邦楽アンサンブル“以音”
　と、なります。竹灯りの旧市街散策も楽しみがてらお出でかけ下さい。

●「近江八幡市民音楽祭」
　１１月２４日(日)　13:00開演
　　於、近江八幡市文化会館大ホール

●滋賀で15回目のクリスマスコンサート
　１２月15日(日)　14:00開演
　　於、文芸セミナリヨ　

(中田文隆)　　　

滋賀新堀ギター音楽院　小山清のギター教室