第15回 発表会を終えて

　ギターの音がスーッと伸びてゆく。フルートが天井から響いてくる。弾語りがとても魅
力的に映える。「ホールで音楽は完成する。」このことを再確認しました。一昨年のクリス
マスコンサート以来、セミナリヨから遠ざかっておりました。日頃のレッスンは換気のため
表の扉を少し開け、車の音が入り混じった状態。アンサンブルと市民オケは密を避ける
ために、広くて音の響きの少ない体育館での練習を余儀なくされています。それでも
“音楽ができる喜び”は味わっていたのです。しかし……。ホールは音の響の次元がまるで
違うのです。「ここで練習しなくては。」と、痛切に感じました。
　今回の発表会はとても意義がありました。ステージ体験以上に、本物の響に出会えた。
そして、それが音楽にとって一番大切なものだと言うことを改めて気づかされました。
“響”これこそ聴く人の気持ちを和ませ背筋がゾクッとなる程の感動を生む源なのです。
　今回は私の我がままで、アンサンブルと市民オケは講習室での調整を無しにして、発表
前にステージ練習を行いました日頃デッドの空間に耐えて頑張っているメンバーに1分1秒
でも長くセミナリヨの響を味わってもらいたかったのです。やってみるといつもの練習
とはまるで違う。ハーモニカも二胡もフルートもホール全体にふんわりと広がってゆき、
ギターとの調和も保たれ、理想のサウンドが展開されました。「ホールで練習したい！！」
新たな願望が生まれました。

　独重奏で出演された皆さん。大変お疲れさまでした。緊張して思うように弾けなかった
方もいるでしょう。でも皆さんが味わった響は、世界の超一流の演奏家が体験している
ものと同じものなのです。普段と弾いているギターと違う感じがしたと思います。ホールの
あの空気と響をいつまでも耳に、そして全身の感覚に残して置いて下さい。

　今年は密を回避するために3ブロックに分け、受付も舞台も全てシルバー人材センター
の方にお願いしました。少々不慣れなこともあり、生徒の皆さんにご迷惑をおかけしたかも
しれません。でも、シルバーの人たちは皆さんの演奏をとても気に入り、一生懸命役員
をやって下さいました。心から感謝しております。
　最後の消毒と後始末はアンサンブルと市民オケの皆さんにお願いしましたが、さすがです。
アッと言う間に手際よく行なっていただき、延長もせずに終わることができました。
伝統のすごさを感じました。ありがとうございました！！

楽譜を「読みましょう」

　発表会が終わり、新しい曲に取りくむ方も多いと思います。そうした時がチャンスです。
新曲に挑むときに楽譜をよく読んで見ましょう。約500年の歴史を持つ五線譜にはたくさん
の情報が書き込まれています。この作曲者のメッセージをより多く汲み取ることが、
その曲をよく理解し、より楽しくなります。今回は音出しの前に読んでおくべきことを書き
連ねてみます。

１，作曲者を知る
　何時の時代、何処で生まれ育ったのか。簡単な経歴くらいは知っておいた方がいいでしょう。
他にどんな作品があるのかも知っておいた方がいいです。
２，タイトルの考察
　バロックや古典時代の曲には速度記号がそのままタイトルになっている曲も多いですが、
その場合でもその意味に気を配る必要があります。歌のアレンジの場合は歌詞も知って
おいた方がいいです。
３，速度記号、発送記号
　AndanteやAllegro等の記号と、それに続いてleggero 等の発送記号が書いてある場合が
あります。良く調べて分かり易い言葉で書き込んでおくのがいいです。楽譜のなかにも
たくさん書いてあるものがあります。全部調べておきましょう。
４、拍子の確認
　大まかに2拍子系なのか3拍子計なのか把握しておく必要があります。
　紙面が無くなってきました、今回はこの辺で。次回続きを書きます。

　10月初旬　　　八幡堀まつり、野間邸演奏（予定）
　11月14日(日)　近江八幡市民音楽祭(近江八幡文化会館)
　12月12日(日)　クリスマスコンサート(旧豊郷小学校　講堂　予定)
　※上記の“予定”となっている行事は会場の都合で日程が変更になることがあります。
又、これ以外も随時イベントが入ってまいります。詳しくは毎月の我楽多通信でご確認下さい。

(鳥居)　　　

滋賀新堀ギター音楽院　小山清のギター教室